千唐流空手道二代目宗家十段範士宣明の奉告祭を藤崎八旛宮にて挙行
~海外5か国、国内から約100名の師範・指導者が熊本市に集結~
2025年(令和7年)11月1日に「二代目宗家十段範士宣明の儀」を千唐流守護神となる藤崎八旛宮にて執り行いました。 日本国内はもとより、千唐流の海外最大組織となるカナダをはじめ、オーストラリア、アメリカ、ノルウェー、スコットランド、ドイツを代表する師範とその一門が熊本に終結。
また、沖縄より剛柔流拳志會會長十段最高範士外間哲弘先生、小林流尚倫會會長十段最高範士垣花慶春先生のご証人の下で奉告祭は執り行われました。
奉納演武では、曇り空から一転して雲の切れ間から暖かい日差しが二代目宗家を照らし神秘的な雰囲気な中で千唐流一子相伝形「ガンフー」が奉じられました。
千唐流二代目宗家は、初代宗家の長男として幼少より空手の手ほどきを受けられ、初代宗家(翁先生)と共に世界中で千唐流の普及をおこなってこられました。その指導した人数は延べ数千名となり、千唐流空手道の発展に多大な貢献されてきました。
初代宗家千歳強直先生は、沖縄出身で空手の礎となる唐手(トゥーデー)の首里手と那覇手の技と形、古武術を修得されておられます。首里手の大家として名高い本部朝勇先生、喜屋武朝徳先生、そして那覇手を代表する東恩納寛量先生をはじめ、その他多くの大家のもとで空手と古武術の修業を積まれておられます。
終戦の翌年となる1946年に千唐流を創流し、その後、沖縄より十段範士の称号を贈られています。1967年の千唐流の全国大会(水前寺体育館)では、沖縄から中村茂先生、上原清吉先生、湖城嘉富先生、比嘉清徳先生、親田清勇先生等をお迎えして大会を催し、千唐流の沖縄空手界との強い関係性が続いていたことがうかがえます。来年の創流80周年を控える今年、初代宗家の遺訓によって二代目宗家が十段範士の宣明をおこないました。
藤崎宮での式典後に、ホテルメルパルク熊本にて「十段範士お祝いの会」を催しました。日本を代表する三味線奏者の高崎裕士様の華麗なる演奏で祝宴は始まり、国内外から熊本に集結した千唐流門弟一同が和やかで楽しいひと時を過ごしました。
沖縄よりお越し下さいました剛柔流拳士會會長外間先生より、初代宗家の沖縄で「医者さん」と呼ばれていた時代や千唐流の歴史をご紹介いただきながらご祝辞を頂戴しました。外間先生は、武道研究者として世界的に著名でおられますが、千唐流においても、これまでにも多くのことをご教示いただいております。
初代宗家が剛柔流の泉川寛喜先生とも修業時代からもご交友があったことなどもご教示くださっています。
その後、三代目宗家、教士樋口先生によるお祝いの演武が披露され、初代から続く千唐流の形と技の継承を披露されました。海外から集ったカナダをはじめとする各国メンバーがステージに登壇し、二代目宗家へのお祝いの言葉とこれからも千唐流を益々発展させていく抱負と意気込みが語られ、和気あいあいとした雰囲気の中で楽しいひと時を過ごすことができました。
閉会にあたり教士玉城先生からのご挨拶と共に、千唐流の益々の発展を祈念して三本締めならぬ、十段位に倣った「十本締め」をおこないお祝いの会を結びました。
さて、いよいよ来年は千唐流創流80周年を迎え、8月にはオーストラリアで第15回千唐流宗家杯の開催となります。初代宗家、二代目宗家と受け継がれた千唐流の伝統を私たちは三代目宗家と共にさらに発展に導き、初代宗家が創流に際して切望された「戦争のない平和な世界」の為に「和忍」「力必達」の精神で日々精進して参りましょう。
(宗家室 記:七井、監修:中山・仲村)








