いよいよ3年に一度の全日本大会が迫って来ました。
今年は8月10日に熊本県の菊池市総合体育館で開催されます。出場選手たちの健闘を祈り、熱戦に期待します。
今月のモノローグは拳誠館の松本師範が投稿。恩師への愛を感じる内容ですね。Don’t miss it!
拳誠館の松本佳彦です。日本千唐会会長の小山浩一先生の下でお世話になっております。
諸先生方の素晴らしいモノローグに続いて、そして他の諸先生方よりも先に私がモノローグするのは大変恐縮ですが、このような機会を頂いたことに感謝いたします。
私は、4人兄弟の長男です。妹が3人います。
幼少期は父は海外留学等で不在が多く、母は仕事が忙しいため、同居していた祖父母が私たちの面倒を見てくれました。
その頃の私は同学年の子に比べ一回り小さく、身体もそんなに強くなかったため、祖父母は何か武道をさせたいと思っていたと私が大人になってから知りました。
小学生の私はそんな祖父母の思いは知らず、その頃流行っていた「北斗の拳」「ストリートファイター2(格闘ゲーム)」 「ジャッキーチェン」にハマり、強さに憧れていました。
そんな中、小学5年の時に1人の同級生が空手を習っていると知り、かっこいい!自分もしたい!という思い、そして祖父 母の思いと合致し同級生何人かと共に拳誠館を訪れたのが始まりです。
道場の門を叩くと、目の前には道着姿で夜なのにサングラスをかけたガラの悪い男性が・・・
来る所を間違えたー!怖くてビビりました。
以前は小学校の先生をされていたようで私の地元にも赴任されたことがあるとの事。
当時を知る地元の先輩方の話によるとサングラスをはめたこの格好で授業をし、悪いことするとすぐ打たれたりと当時の子供達からかなり恐れられていたようです。
稽古は当り前ですが最初は基礎ばかり。何か悪いところがあると私も死角から打たれ蹴られ・・・。
怖くて厳しい稽古から気づくと、共に訪れた同級生はみんなやめてしまいました。
私自身もやめたくて祖父母に伝えても、誠二先生と意気投合していた祖父はやめさせてくれませんでした。
なので稽古が少しでも早く終わってほしいため、誠二先生が見ていない隙に道場内にある時計の針を少し早めていたのですが、それがバレてめちゃくちゃ打たれたのは今でも覚えています。
そんな中、熊本県で千唐流の試合がありました。私としては人生初の試合です。緊張が大きく試合内容は全く覚えていませんが1つだけ鮮明に覚えていることが。
誠二先生のご指導のおかげでいい成績が残せました。試合後、誠二先生に報告すると自分の事のように喜んでくださり、これからも稽古を頑張りなさいと満面の笑みでおっしゃっていただきました。いい成績が残せなかった生徒には優しくアドバイスを。
えーっ!!!!! 普段の稽古では絶対に見ない光景!!!!!
衝撃でした。誠二先生の極上のアメとムチを食らった私はそれからの稽古は真面目に取り組むようになり、その姿を見て妹3人も一緒に拳誠館に通うようになりました。
高校、大学へ進学すると道場に通うことが難しくなり10年ほど空手から離れた時期があります。ところが、そんな時期の中でも誠二先生から「梅酒作ったから取りに来い」「野菜作ったから取りに来い」等と何度もお電話をいただきました。
今思うと、私が空手から離れていてもずっと気にかけていただいたことが、また空手をやりだす大きな理由だったと思います。
その頃に「これはいつか師範になったらつけなさい」と御自身が使われていた師範の審判バッジを頂き、それを試合の際には付けさせていただいてます。
(R7年度から審判バッジがリニューアルしたため、今は大切に保管しています。)
再び空手をやりだして間もなく拳誠館は誠二先生から現日本千唐会会長の浩一先生へと受け継がれました。
浩一先生から教わるようになると、全ての動作に理論があることに気づかされました。
浩一先生の空手理論にはびっくりです。身体の使い方・立ち方・運足・突き・蹴り・受けなどの基本から理論があり、奥が深く今まで気にもしていなかった細かい所まで全てに対して。
私自身黒帯でしたが最初から見直すようになりました。
それからは頭の中で形を1つ1つ分解して、意味を考えて理解するようになりました。
それが今生徒たちに伝えるという点でかなり役に立っています。
しかし、まだまだ浩一先生がお持ちの知識や技量には程遠く、これからも沢山吸収させていただきたいと思っています!
浩一先生から師範になる話を頂いた際、今まで教わったことを師範という責任のある立場から生徒たちに正しく伝えられるか?などの不安が多々ありました。
しかし、お世話になった誠二先生への恩返しと浩一先生のお手伝いができるならと思い師範の試験を受けさせてもらった次第です。
私は誠二先生と浩一先生が大好きです。
これからも拳誠館、そして国際千唐流空手道がもっと繁栄していけるよう微力ではありますが尽力していきたいと思っています。
ちなみに私の妻も幼少期に拳誠館に通っていたようで、結婚の際には浩一先生夫妻に仲人をお願いいたしました。
あまり好きアピールするとこれからの稽古に支障をきたすのでこれでやめておきます(笑)
この記事がアップされる数日後には全国大会です!
各県・各道場同士、持っている力・技を全てぶつけ合いましょう!
そして日本の力を高め合い、ちょうど1年後となる国際大会で各国の全ての選手が最大限に力を発揮し最高の大会となるよう日々精進していきましょう!
Let’s go to Australia!!